ぶりの照り焼きって、とってもおいしい定番おかずですよね。でも、いざ作ってみると「なんだか固くなっちゃった…」なんて経験はありませんか?
今回は、そんなお悩みを解決するふっくら仕上がるぶり照りのコツを、わかりやすくお伝えします。
ぶり照りがパサパサになる理由、知ってますか?
ぶりが固くなってしまう原因は、ズバリ「火の通しすぎ」です。特に初心者の方だと、「しっかり火を通さないと不安…」という気持ちから、どうしても焼きすぎてしまいがち。でも実は、魚はお肉と違って、余熱でも火が通りやすいんです。
とくに、ぶりは水分が抜けるとパサパサになりやすいので、焼きすぎは大敵。中までしっかり火を入れたい気持ちはわかりますが、ふっくらを目指すなら、焼き時間よりも火加減が大事になってきます。
また、天然ぶりは身がしっかりしていて、やや固くなりやすい傾向があります。いっぽうで、養殖ぶりは脂がよくのっていて、やわらかくジューシー。でも、どちらもちょっとしたコツさえつかめば、おうちでもふっくら美味しく仕上げることができるんです。
初心者の方でも失敗しにくいように、このあと紹介する下ごしらえや火加減の工夫を実践すれば、「今までのぶり照りはなんだったの?」と思えるはずです。
ふっくら仕上げたいなら「選び方」で7割決まる!
スーパーでぶりを選ぶときは、まず見た目の「新鮮さ」に注目してみてください。切り身の厚さが均一で、表面に透明感があり、うっすらと白い脂が差しているものは、とても質の良い証拠です。また、血合いの部分が鮮やかな赤色をしていると、より新鮮な状態と言えます。
さらに、ぶりは季節によって脂ののり具合が変わります。特に旬といわれる冬場(12月〜2月頃)は、脂がしっかりのっていて、とてもジューシーに仕上がりやすい時期。この時期のぶりは、照り焼きにすると口の中でとろけるようなやわらかさが楽しめます。
また、購入したぶりは、できるだけ早く調理するのが理想ですが、すぐに使えない場合は保存方法にも気をつけましょう。冷蔵保存する場合は、キッチンペーパーで水気を拭き取り、そのままペーパーで包んでからラップをし、さらに保存袋に入れてチルド室へ。こうすることで、鮮度が保たれやすく、におい移りも防げますよ。
もし数日使えない場合は冷凍保存もOK。あらかじめ切り身に下味(塩・酒)をつけてから冷凍しておくと、解凍後すぐに使えて便利です。
調理前が超重要!プロが教える下ごしらえテク
固くならないためには、焼く前のひと手間がとても大切です。実はこの下ごしらえが、仕上がりに大きく差をつけるポイントなんです。
まず、ぶりの臭みをしっかり取ることから始めましょう。魚の生臭さが気になる方も多いと思いますが、ここで塩が大活躍します。ぶりの切り身に軽く塩をふり、10分ほど置いておくと、余分な水分と一緒に臭みも引き出してくれます。このとき、塩は片面だけでなく両面にふると効果的です。
時間が経ったら、キッチンペーパーなどでしっかり水分をふき取ってください。これをするだけで、味のしみ込み方がぐんと良くなりますよ。
次に、料理酒を軽くふりかけて全体になじませておくと、さらに臭みが抑えられ、味に深みが出ます。日本酒がない場合は、みりんでも代用可能です。
さらに、冷蔵庫で10〜15分ほど寝かせておくことで、味がよりなじみやすくなり、加熱したときにふっくら仕上がる効果もあります。時間に余裕があれば、30分ほど置いておくと、よりしっとりとした食感になりますよ。
この下ごしらえをきちんとするだけで、仕上がりのやわらかさや風味が格段にアップします。忙しい日でも、ほんの少しの時間でできるので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
火加減だけでこんなに変わる!焼き方の極意
焼くときは、まずフライパンを中火で熱し、全体に油をうすくひきます。このとき、キッチンペーパーなどで油をなじませておくと、焦げつき防止にもなります。
フライパンがしっかり温まったら、ぶりの皮目を下にして静かに並べます。ジュワッと音がするくらいがベストタイミングです。皮目をしっかり焼いておくと、香ばしさが増して、見た目にも美しく仕上がります。
焼き色がこんがりついてきたら、優しく裏返しましょう。このとき、フライ返しやトングを使うと身が崩れにくくて安心です。火加減は中火をキープしながら、ぶりの中までじんわり火が入るように見守ります。
ここで大切なのが、焼きすぎないこと!ついつい不安で長く焼いてしまいがちですが、ぶりは余熱でもしっかり火が通ります。焼きすぎると固くパサついてしまうので、焼き時間は片面2〜3分程度を目安にするとちょうどよく仕上がりますよ。
タレ(しょうゆ・みりん・砂糖・酒)は、焼き色がしっかりついた後に加えるのがポイントです。タレを早く入れすぎると焦げやすくなるので注意しましょう。加えたら火をやや弱め、タレをスプーンなどで上からかけながら煮詰めていくと、全体にしっかり味がなじみ、照りも美しくなります。
最後に、ぶりにタレがしっかり絡んでとろみが出たら完成!焼きたてはもちろん、冷めても美味しいのがぶり照りの魅力です。
基本を押さえれば失敗しない!ぶり照りレシピ
【初心者向け・基本のふっくらぶり照りレシピ】
- ぶりの切り身に軽く塩をふって、10分ほど置きます。余分な水分とともに臭みが抜けやすくなります。
- キッチンペーパーでしっかり水分を拭き取り、料理酒を少しかけてなじませてからさらに10分ほど置いておきましょう。
- フライパンに油を薄くひいて中火で熱し、ぶりの皮目から焼き始めます。こんがり焼き色がついたら裏返し、反対側も焼きます。
- 両面に焼き色がついたら、合わせ調味料(しょうゆ・みりん・砂糖・酒)を加え、火を弱めてタレを絡めながら煮詰めます。スプーンなどでタレを上からかけてあげると、味がよくなじみますよ。
これだけでも、外は香ばしく中はふっくらとした、食べ応えのあるぶり照りが完成します。
また、作り置きにもとっても便利です。冷蔵庫で保存すれば2〜3日ほど日持ちし、冷凍すれば1週間〜10日ほど保存可能。お弁当や忙しい日の晩ごはんにもぴったりなので、まとめて作っておくのもおすすめです!
もし固くなっても大丈夫!リカバリー&リメイク術
「うっかり焼きすぎちゃった…」というときもご安心を。
せっかくのぶり照りが固くなってしまったと感じたら、まずは温め直し方を工夫してみましょう。電子レンジで再加熱する場合、少しだけ料理酒をふりかけてから、ふんわりとラップをかけて温めてください。加熱時間は短めにして、様子を見ながら温め直すのがコツです。これだけでも、ぶりの身がやわらかくなり、ふんわり感が戻りやすくなりますよ。
それでも固さが気になるときは、思い切ってリメイクするのがおすすめです。例えば、ぶりを細かくほぐしてご飯の上に乗せ、温泉卵や大葉を添えた「ぶり照り丼」にすれば、簡単に豪華な一品に早変わり。
また、サラダのトッピングとして使えば、魚のうま味がアクセントになって、いつもの野菜がぐっと美味しくなります。さらに、パスタと和えるのもおすすめ。ゆでたパスタにバターやしょうゆを少し加え、ぶりの身とあえるだけで、簡単で風味豊かな和風パスタが完成します。
無駄なく、美味しく食べきる工夫で、失敗も楽しいアレンジのチャンスになりますよ。
健康面でも優秀!ぶりの栄養価と効果
ぶりにはDHAやEPAがたっぷり含まれており、これらはオメガ3脂肪酸と呼ばれる栄養素です。DHAは脳の神経細胞をサポートし、集中力や記憶力の向上にも役立つとされています。また、EPAは血液の流れをスムーズにし、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防にもつながると言われています。健康維持を意識する大人にとっては、うれしい成分がぎゅっと詰まっているんです。
さらに、ぶりは高たんぱくでありながら糖質が低く、ダイエット中の方にもピッタリ。脂質が気になる方も多いかもしれませんが、ぶりの脂は良質な不飽和脂肪酸が中心なので、むしろきれいに痩せたい人にこそおすすめです。
また、成長期の子どもにとっても、脳や骨、筋肉の発達をサポートする栄養がバランスよく含まれているため、安心して食卓に取り入れられます。毎日でなくても、週に一度は取り入れたい栄養満点の一品ですね。
今日はどれにする?シーン別おすすめぶり照り
- お弁当には「少し甘め+しっかり味」で、ご飯がすすむ味付けがぴったりです。特に冷めたときでも美味しさを保てるように、甘辛のタレを少し濃いめに仕上げるのがコツ。小さなおかずカップに入れて彩りよく詰めれば、見た目も華やかになりますよ。
- 夜ごはんには「こってり濃いめのタレ」でしっかり満足できる一皿に。脂ののったぶりと濃厚なタレの組み合わせは、ごはんが止まらなくなる美味しさです。副菜にさっぱり系のおひたしや味噌汁を添えると、バランスが良くなります。
- 朝の時短には「作り置き+温めるだけ」でラクラク調理。前の晩に作っておいたぶり照りを温めるだけで、一品完成!時間がない朝でもしっかり栄養が摂れます。ほぐしてご飯に混ぜてぶりごはんにしたり、おにぎりの具にしたりするアレンジもおすすめです。
このように、生活スタイルや時間帯にあわせてぶりの照り焼きをアレンジすれば、毎日の食事がもっと楽しくなります。
ぶり照りQ&A|よくある失敗とその対策集
Q. 表面は焼けてるのに中が生っぽい…
→ A. これはぶりの切り身が厚い場合によくある失敗です。冷蔵庫から出してすぐに焼くと、表面だけが早く焼けて中まで火が通らないことがあります。そんなときは、焼く30分前くらいに冷蔵庫から出して、常温に戻しておくのがコツ。魚の中心温度が上がることで、加熱ムラが少なくなり、中までしっかり火が通りやすくなります。どうしても火が入りにくいときは、弱火にしてふたをして、蒸し焼きにするのもおすすめです。
Q. 焦げてしまう!
→ A. タレの入れるタイミングが早すぎると、砂糖やみりんが焦げてしまいやすくなります。表面にしっかり焼き色がついてからタレを加えるのがポイントです。タレを加えたあとは火加減をやや弱めにして、焦げつかないように注意しながらスプーンでタレを回しかけるようにすると、香ばしくも照りのある美しい仕上がりになります。フライパンの端に焦げがつきやすい場合は、仕上げ前に一度キッチンペーパーで軽く拭くのもありです。
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まとめ
ちょっとしたひと手間で、ぶりの照り焼きは驚くほど美味しくなります。
選び方ひとつで脂ののり具合が変わり、下ごしらえで臭みを抑え、焼き方次第でふっくら感が決まります。どれも特別な道具や難しいテクニックは必要ありません。ちょっと気をつけるだけで、おうちの定番メニューがお店の味にぐっと近づきますよ。
忙しい毎日の中でも、少しだけ手をかけてあげることで、食卓に喜びや満足感を添えることができます。家族の「おいしいね!」という一言が聞けたら、それだけで幸せな気持ちになりますよね。
あなたの食卓が、いつでもあたたかく、ふっくら笑顔でいっぱいになりますように。